在宅診療とは

在宅診療のイメージ

在宅診療とは、自宅、あるいは入所している施設で医療行為を受けられるもので、その内容も病院で受けられるものと同等の医療となっています。現在の医療制度上、高齢の方が長期間、病院に入院することが難しくなっている一方、住み慣れた自宅などでゆっくり暮らしたいという患者様、暮らしてほしいというご家族様も増えています。さらに近年の新型コロナウィルス感染症の拡大により、在宅診療の有用性も増しています。

介護を受けたい場所の統計
最期を迎えたい場所の統計
平成29年 高齢社会白書 より

在宅医療には大きく分けて、「訪問診療」と「往診」があります。訪問診療は、病気など様々な理由で通院が困難な患者様に対して、医師が立てた診療計画に基づいて、定期的に患者様の自宅、または施設を訪問して診療を行うものです。往診とは、計画的なものではなく、症状の急変や予定外の体調不良に対し、患者様の要請に応え、自宅に赴いて行われる診療のことを言います。主に救急車を要請するほどの緊急性はないものの、治療が必要な場合に、地域で普段かかりつけている医院やクリニックなどの医師に依頼するものです。

訪問診療について

訪問診療について

計画的に訪問し、様々な医療サービスを提供する「訪問診療」では、基本的に月に2回、曜日などの日時を決め、ご自宅や施設に医師が訪問し、診療を行います。診察、治療、薬の処方に加え、患者様ご本人やご家族からの療養上の相談を伺ったり、各種アドバイスを行ったりします。診療計画は訪問診療開始時に、これまで受診していた主治医の先生やケアマネージャーさん、ご家族を交えて丁寧なお話し合いを行い、決定します。
自宅療養中、容体が急変した場合などは、緊急訪問をしたり、入院の手配を行ったりする場合もあります。

(当院は外来通院の患者様がいる関係上、日中、夜間の緊急訪問が難しい場合があります。)

訪問診療の対象となる方

原則的に「居宅(自宅や施設)で療養を行なっており、疾病・傷病のため通院による診療が困難な方」とされており、患者様やご家族の希望、主治医の先生の判断を踏まえて、総合的に判断されます。

次のような方が訪問診療の対象となります。(例)

  • 入院が必要だけれども、できれば自宅(施設)で療養したいという方
  • 病院を退院することになり、自宅(施設)にて療養する必要がある方
  • 病気や運動器等の障害があり、通院することが困難な方
  • 寝たきり、あるいは寝たきりに準じた状態である方
  • 人工呼吸器や胃瘻、膀胱留置カテーテル等の医療管理が在宅で必要な方
訪問診療の対象となる方

当院での訪問診療をご検討される場合

ケアマネージャーのイメージ

まずはお電話かメールにてお問い合わせください。ケアマネージャーがいらっしゃる場合は、ケアマネージャーに当院を検討したい旨、お伝えください。スタッフからご連絡し、患者様の状態などをご確認させていただきます。

必要に応じ、当院の医師がご説明をいたします。その上で、当院での訪問診療が決定しましたら、主治医の先生、ケアマネージャーの皆様とも連携を取り、ご家族のご負担や経済的側面も考慮しつつ、ご希望の暮らし方などご要望をうかがい、診療計画や訪問スケジュールを立案していきます。

診療計画やスケジュール、費用等に関してご同意が得られましたら契約となり、スケジュールに沿って訪問診療開始となります。

当院で対応可能な疾患・処置について

訪問診療のイメージ

当院では全身状態の管理をしつつ、安心して在宅での療養生活を送っていただくために、各種高度な医療を提供いたします。

主な医療サービス例

  • 体温や血圧などの各種測定による健康管理
  • 採血、検尿などの各種検査
  • 薬の処方、点滴の処置
  • 経管栄養、中心静脈栄養・CVポート管理
  • 胃瘻管理
  • 経尿道カテーテル、各種ストーマの管理
  • 在宅酸素療法管理
  • 人工呼吸器の管理・カニューレ交換
  • 褥瘡(床ずれ)への処置 他
訪問診療のイメージ

各種医療サービスは、基本的に当初に決定した診療計画に基づいて行っていきますが、随時、健康状態や環境等の変化があった場合は、診療内容の見直しも行います。また容体の急変など、より専門的治療や入院が必要と認められた場合は、速やかに病院と連携し対応します。

その他、訪問時には患者様ご本人やご家族の、療養上のご相談にも応じていきます。また、介護保険主治医意見書などの各種書類作成も行います。

訪問エリア
について

訪問診療は原則的に当院を中心に半径3km以内となります。